はじめに
「ITの知識を、付け焼き刃ではなく体系的に学びたい!」
それが、私がIPAの情報処理技術者試験に挑戦したシンプルなきっかけです。IT業界に足を踏み入れたばかりの頃、日々の業務で飛び交う専門用語についていけず、「今のままで本当に大丈夫だろうか…?」という漠然とした不安がありました。この不安を自信に変えるため、資格取得という具体的な目標を立てることにしたのです。
IT資格取得の全体計画:王道ルートで着実にステップアップ
資格取得にあたり、いきなり難関資格に挑むのではなく、段階的にレベルアップする計画を立てました。そこで選んだのが、多くのIT技術者が通る王道ルートです。
ITパスポート → 基本情報技術者 → 応用情報技術者
まずはITパスポートでIT社会人としての共通言語を学び、次に基本情報技術者でエンジニアとしての土台を固める。このステップアップ方式なら、無理なく知識を積み重ねられると考えました。
スケジュールの考え方:短期集中でモチベーションを維持
仕事と勉強を両立させるため、期間を区切った短期集中型の学習スケジュールを組みました。
- ITパスポート:1ヶ月の集中学習
- 基本情報技術者:ITパスポート合格後、すぐに3ヶ月の学習計画をスタート
特に基本情報技術者試験は学習範囲が広いため、少し長めの期間を設定しました。先に試験日を予約することで、「やるしかない」状況を作り出し、モチベーションを維持する工夫もしました。
ITパスポート挑戦記:すべてのIT社会人のための第一歩
資格の概要と特徴
ITパスポートは、ITを利用するすべての社会人が備えておくべき、ITに関する基礎知識を証明する国家資格です。DXが進む現代において、職種を問わずその重要性は増しています。試験はCBT(Computer Based Testing)方式で随時開催されており、受験しやすいのも大きな魅力です。
試験の概要(2025年8月時点)
- 試験時間:120分
- 出題形式:四肢択一式、100問
- 合格基準:総合評価点600点/1000点満点以上、かつ分野別評価点もそれぞれ300点/1000点満点以上
- 出題分野:ストラテジ系(経営全般)、マネジメント系(IT管理)、テクノロジ系(IT技術)
- 受験手数料:7,500円(税込)
学習計画と進め方:過去問道場で効率化
- 学習期間:1ヶ月
- 総学習時間:約20時間
- 使用教材:ITパスポート試験ドットコム(旧:過去問道場)
学習はWebサイト「ITパスポート試験ドットコム」をメインに、スマホの隙間時間と週末のまとまった時間で過去問を繰り返し解くことに集中しました。特に苦手だったテクノロジ系の用語は、間違えた問題の解説をしっかり読み込み、ノートにまとめて覚えました。
試験当日の体験とアドバイス
初めてのCBT方式に少し戸惑いましたが、問題の難易度は過去問と同程度でした。IPA公式サイトにはCBTの疑似体験ソフトウェアがあるので、操作に不安がある方は事前に試しておくことを強くおすすめします。
基本情報技術者試験挑戦記:ITエンジニアの登竜門
資格の概要と特徴(2023年度からの新制度)
基本情報技術者試験は、ITエンジニアとしてキャリアをスタートするための知識・技能を証明する国家資格です。2023年度から試験制度が大きく変わり、より実践的なスキルが問われるようになりました。特に「科目B」で出題されるアルゴリズムとプログラミングの比重が高まっています。
試験の概要(2025年8月時点)
- 試験時間:科目A 90分、科目B 100分
- 出題形式:科目A 多肢選択式 60問、科目B 多肢選択式 20問
- 合格基準:科目A・科目Bともに評価点600点/1000点満点以上
- 出題分野:
・科目A:ITパスポートの範囲+応用的な知識(旧午前試験に相当)
・科目B:アルゴリズムとプログラミング、情報セキュリティ(旧午後試験に相当) - 受験手数料:7,500円(税込)
学習計画と教材:オンライン教材と書籍の合わせ技
- 学習期間:3ヶ月
- 総学習時間:約80時間(特に科目Bに時間を割きました)
- 使用教材:
1. 基本情報技術者試験ドットコム(旧:過去問道場)
2. 書籍「キタミ式イラストIT塾 基本情報技術者」
3. Udemyなどの動画教材(科目B対策)
科目AはWebサイトで過去問を繰り返し解き、知識を定着させました。最大の壁である科目Bは、「キタミ式」でアルゴリズムの考え方をインプットした後、Udemyの動画教材で擬似言語の解き方を学び、Webサイトで演習を重ねるという方法を取りました。
苦手分野の克服方法:科目B(アルゴリズム)との戦い
やはり最も苦戦したのは、科目Bのアルゴリズムとプログラミングでした。抽象的な概念を理解するために、以下の対策を実践しました。
- 図を描いて処理の流れを可視化する:特に再帰やデータ構造は、図にしないと理解が困難でした。
- 簡単な例で実際にトレースする:擬似言語のプログラムを、小さなデータで一行ずつ手で追いかけました。
- 「なぜこの処理が必要か」を考える:ただ暗記するのではなく、処理の意図を理解するよう努めました。
学習を通じて得られたもの:知識、自信、そして習慣
資格勉強を通して、ITの基礎知識が体系的に身についたのはもちろんですが、それ以上に大きな収穫がありました。
- 技術的な会話がスムーズに:先輩エンジニアとの会話や設計書の読解が格段に楽になりました。
- 問題解決能力の向上:トラブルが発生した際も、原因を論理的に推測できる場面が増えました。
- 学習習慣の獲得:社会人になってからも学び続けることの大切さを実感し、次の目標への意欲が湧きました。
これから挑戦する方へのアドバイス
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- まず試験を申し込む!:「いつか受ける」ではモチベーションは続きません。先に期限を決めることが、計画を立てる第一歩です。
- 過去問から始める:まず過去問に触れ、自分の現在地とゴールとの距離を測りましょう。苦手分野を把握することが、効率的な学習計画に繋がります。
- 科目B対策は早めに着手する:特に基本情報技術者試験は、科目Bの出来が合否を分けます。アルゴリズムの思考に慣れるには時間がかかるため、学習の早い段階から取り組むことをおすすめします。
- 小さなご褒美を設定する:「この単元を終えたら好きなスイーツを食べる」など、ゲーム感覚で達成感を味わうと、学習を継続しやすくなります。
おわりに:学び続けることの価値
資格取得はゴールではなく、技術者として成長し続けるための通過点です。今回の挑戦を通じて、社会人になっても「学び続ける習慣」がいかに大切かを改めて感じました。
試験制度は時代に合わせて変化し、特に基本情報技術者試験では、より実践的なプログラミング能力が問われるようになりました。これは現代のITエンジニアにとって不可欠なスキルであり、資格の価値を一層高めていると言えるでしょう。これから挑戦される皆さんの努力が、未来の自分への素晴らしい投資となることを願っています。