はじめに
基本情報技術者試験に合格した勢いで応用情報技術者試験に挑戦したものの、その壁は想像以上に高いものでした。私は3回の受験を通して、ようやく合格を手にすることができました。このブログ記事では、私が応用情報技術者試験に合格するまでに得た経験と知識を共有し、これから受験される皆様の合格を力強くサポートしたいと思います。
応用情報技術者試験は決して簡単な試験ではありませんが、正しい戦略と対策、そして継続的な努力があれば、必ず合格できます。この記事が、皆様の試験対策の一助となれば幸いです。
応用情報技術者試験とは?試験概要と資格の特徴
応用情報技術者試験は、「基本情報技術者試験」の上位に位置づけられる国家資格です。より高度で実践的なIT知識と応用能力が求められ、合格することで、高度IT人材として社会で活躍するための確かなスキルを証明することができます。
資格の特徴
応用情報技術者試験では、単なる知識の暗記だけではなく、システム開発、プロジェクトマネジメント、経営戦略、情報セキュリティなど、幅広い分野の実務に近い知識が問われます。そのため、合格には、実務経験に基づいた深い理解と、応用力が不可欠です。
試験の概要
項目 | 内容 |
---|---|
試験時間 | 午前:9:30〜12:00(150分)/ 午後:13:00〜15:30(150分) |
出題形式 | 午前:多肢選択式(四肢択一)80問 / 午後:記述式、11問中5問選択(うち1問必須) |
合格基準 | 午前:60%以上の正答 / 午後:選択問題ごとに60%以上の得点 |
受験料 | 7,500円(別途手数料) |
試験は午前と午後の2部構成で、それぞれ試験時間や出題形式、合格基準が異なります。午前試験は知識を問う多肢選択式、午後試験は読解力・思考力・記述力を問う記述式です。
300時間以上の学習記録:合格までの道のり
応用情報技術者試験の合格には、十分な学習時間の確保が不可欠です。私の場合は、300時間以上の学習時間を費やしました。以下に、使用した主な教材と学習方法をご紹介します。
総学習時間と使用教材
- 総学習時間:約300時間以上
- 使用教材:
- 応用情報技術者試験ドットコム(約250時間):Webサイトで過去問演習や分野ごとの学習
- 午後問題の重点対策(20時間):記述式問題の対策として活用
- キタミ式イラストIT塾(20時間):イラスト解説で知識の定着をサポート
- Udemy講座(20時間):動画でプロジェクトマネジメント分野を学習
応用情報技術者試験ドットコムは、過去問が豊富で、分野ごとに学習できるため、基礎知識の定着に非常に役立ちました。午後問題対策としては、記述式問題に特化した教材を活用し、解答のコツを掴むように努めました。また、イラストで分かりやすく解説してくれる参考書や、動画講座も取り入れることで、学習のモチベーション維持に繋がりました。
試験対策:つまずきポイントと克服方法
応用情報技術者試験の対策で苦労した点と、その克服方法を午前試験と午後試験に分けて解説します。
午前試験対策
午前試験は、基本情報技術者試験の知識をベースに、より専門的な知識が問われます。
- つまずきポイント:
- 範囲が広く、網羅的な知識が必要となる点
- 過去問と類似した問題も出題されるが、応用的な問題も含まれる点
- 克服方法:
- 過去問演習を中心に学習を進め、出題傾向を把握する
- Webサイト(応用情報技術者試験ドットコム)を活用し、分野ごとの知識を集中的に学習する
- 間違えた問題は必ず復習し、理解を深める
午前試験は、過去問を繰り返し解くことが合格への近道です。間違えた問題は、解説を読み込み、類似問題が解けるように理解を深めることが重要です。
午後試験対策:最大の壁を乗り越える
午後試験は、応用情報技術者試験における最大の難関です。記述式で解答する必要があるため、読解力、思考力、記述力が総合的に問われます。
- つまずきポイント:
- 実務経験がない分野の問題は、イメージが掴みづらく解答が難しい
- 問題文の読解に時間がかかり、時間配分が難しい
- 記述式に慣れていないため、解答に時間がかかる、的を射た回答が書けない
- 克服方法:
- 得意分野、実務経験のある分野を選択する
- 午後試験は選択式のため、得意な分野や実務経験のある分野を選ぶことが重要です。
- 経験がない分野は、一から学習する必要があるため、時間と労力がかかります。
- 記述式問題への対策を徹底する
- 記述式問題では、問題文の意図を正確に捉え、的確に解答する必要があります。
- 過去問や対策問題集を活用し、記述式問題に慣れる練習を行いましょう。
- 国語の現代文が得意な方は比較的有利ですが、苦手な方は文章構成力や要約力を意識した対策を行うと良いでしょう。
- また、普段から文章を書く練習をしておくことも有効です。
- 時間配分の練習を徹底する
- 午後試験は時間が限られているため、時間配分が非常に重要です。
- 過去問を解く際には、制限時間を意識し、時間配分の練習を行いましょう。
- 問題を軽く読み, すぐに解ける問題と時間がかかりそうな問題を見分け、解く順番を決める練習をするもの良いと思います.
- 解答に時間がかかりそうな問題は、後回しにする勇気も必要です。
- 得意分野、実務経験のある分野を選択する
午後試験対策は、過去問演習に加えて、記述式問題への慣れ、時間配分の練習が重要になります。
午後試験:大問選択の戦略
午後試験は、11問の大問の中から5問を選択して解答します(問1は必須)。大問の分野によって難易度や対策方法が異なるため、適切な選択が合格を左右します。
問題番号 | 分野 | 個人的な難易度傾向 | おすすめ度 |
---|---|---|---|
問1 | 情報セキュリティ | 標準的 | 必須問題 |
問2 | 経営戦略 | 比較的易しい | 対策すればおすすめ |
問3 | プログラミング | 標準的 | 得意ならおすすめ |
問4 | システムアーキテクチャ | やや難しい | 得意ならおすすめ |
問5 | ネットワーク | やや難しい | 得意ならおすすめ |
問6 | データベース | やや難しい | 経験があればおすすめ |
問7 | 組込みシステム開発 | 比較的易しい | おすすめ |
問8 | 情報システム開発 | 変動が大きい | 状況に応じて判断 |
問9 | プロジェクトマネジメント | やや難しい | 対策次第でおすすめ |
問10 | サービスマネジメント | 比較的易しい | おすすめ |
問11 | システム監査 | 比較的易しい | おすすめ |
おすすめの選択:
- 基本:過去問で8割程度の得点が安定して取れる大問を2問選択する。
- 追加:過去問で6割程度の得点が見込める大問を3問選択肢として用意しておく。
- 試験 당일, 問題を見て解けそうな問題、時間がかかりそうな問題を見極め、臨機応変に対応できるようにする。
過去問演習を通して、自分の得意分野、苦手分野を把握し、戦略的に大問を選択することが重要です。
試験合格のためのアドバイス
私は過去2回、応用情報技術者試験に不合格になっています。その失敗経験から得た教訓と、合格に繋がった対策をアドバイスとしてお伝えします。
2度の不合格から学んだこと
- 学習時間の配分:
- 1・2回目の不合格時は、午前試験対策に偏り、午後試験対策が不十分でした。
- 午前試験の足切りを意識するあまり、午後の対策がおろそかになっていたことが原因です。
- 3回目の受験では、午後試験対策に重点を置いたことで、合格を掴み取ることができました。
- 実際の得点:
- 不合格だった2回とも、午後試験の得点は合格ラインに僅かに届きませんでした(1回目:58点、2回目:59点)。
- 配点の詳細は不明ですが、記述式ということもあり、誤字脱字などによる減点も多かったのではないかと推測されます。
教訓:午後試験対策に十分な時間を割くこと、記述式問題では正確性も意識することが重要です。
試験当日の準備:万全の体制で臨む
試験本番で実力を最大限に発揮するためには、事前準備が非常に重要です。試験会場の環境や持ち物、休憩時間の過ごし方などをご紹介します。
会場下見は必須:試験環境を事前に確認する
試験会場は、事前に下見しておくことを強くおすすめします。
- 会場環境:
- 試験会場によっては、冷暖房がなかったり、椅子の座り心地が悪いなど、劣悪な環境の場合もあります。
- 対策:
- 寒暖差対策として、脱ぎ着しやすい服装や羽織ものを用意しましょう。
- クッションなどを持参すると、座り心地が改善される場合があります。
お昼休憩対策:午後の試験に向けてリフレッシュ
午前試験終了から午後試験開始までの休憩時間を有効活用しましょう。
- 時間の有効活用:
- 午前試験は時間に余裕をもって退出できる場合が多いので、早めに休憩時間を確保しましょう。
- 食事場所の事前確認:
- 試験会場周辺の食事場所を事前に確認しておきましょう。
- 午後試験に向けてリフレッシュできるよう、落ち着ける休憩場所を確保することが重要です。
持ち物チェックリスト:忘れ物なしで試験に臨む
試験当日に慌てないように、持ち物をチェックリストで確認しましょう。
- 受験票(証明写真貼付)
- 筆記用具(HB鉛筆、消しゴムなど)
- 防寒具・保温具
- 昼食、または周辺店舗情報
- 時計(シンプルな機能のもの。スマートウォッチは利用禁止です)
時計は、時間配分を管理する上で非常に重要です。シンプルな機能の時計を必ず持参しましょう。
資格取得後の活用:キャリアアップに繋げる
応用情報技術者試験に合格することで、ITエンジニアとしての市場価値を高め、キャリアアップに繋げることができます。
- 幅広いIT分野の下地作り:
- 試験勉強を通して、様々なIT分野の基礎知識を習得できます。
- 業務における視野が広がり、多角的な視点から問題解決に取り組めるようになります。
合格のための心構え:長期戦を覚悟する
応用情報技術者試験は、短期間で簡単に合格できる試験ではありません。合格するためには、心構えも重要になります。
基本情報技術者試験との違いを認識する
- 難易度の違いを甘く見ない:
- 基本情報技術者試験に合格したからといって、油断は禁物です。
- 応用情報技術者試験は、難易度が格段に上がり、専門的な知識と応用力が求められます。
- 実践的な知識の必要性を理解する:
- 実務経験がない場合でも合格は可能ですが、実務経験がある方が有利な試験です。
- 実務経験を通して得た知識は、試験対策に大いに役立ちます。
長期戦を覚悟する:継続は力なり
- 複数回の受験も視野に入れる:
- 1回の受験で合格できなくても、諦めずに複数回受験することを覚悟しましょう。
- 半年以上の勉強計画を立て、コツコツと努力を続けることが重要です。
- モチベーション管理の重要性:
- 試験結果は、受験から数ヶ月後に発表されます。結果が出るまで時間がかかるため、モチベーション維持が難しい場合があります。
- 不合格だった場合でも、すぐに再受験することで、試験へのハードルを下げることができます。連続受験も有効な戦略です。
おわりに
応用情報技術者試験は、知識の暗記だけでは合格できない、実践的な試験でした。3回の挑戦を通して、**「実務経験の重要性」と「継続的な学習姿勢」**の大切さを改めて痛感しました。
これから受験される皆様へ。焦らず、自分のペースで学習を進めてください。失敗も貴重な経験として、必ず次に繋がります。皆様の挑戦を心から応援しています!

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