はじめに
世界中から愛される観光地となった京都。その一方で、年々増加する観光客で混雑し、本来の静けさや風情を感じることが難しくなってきています。特に海外からの観光客が多い現在の京都では、観光地を見に行くのではなく、「人混み」を見に行くことになりかねません。
京都の魅力は、その静寂と伝統的な風情。しかし、多くの観光客で賑わう日中では、その本質を感じることが難しくなっています。
私自身、京都旅行は大好きですが、近年の観光客増加により、特に有名寺院や神社は昼間になると人であふれ、落ち着いて風情を楽しむことができなくなりました。そこで私が実践している「朝活観光」の方法をご紹介します。これは、寺院が開く早朝の時間帯に観光し、人が多くなる時間は屋内でゆっくり過ごすというシンプルな方法です。
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朝活で楽しむ京都観光の魅力
朝早く観光することの最大のメリットは、何といっても人の少なさ。通常なら人で溢れかえる場所も、早朝なら数人しかいないことも珍しくありません。さらに、朝の柔らかな光に照らされた寺社仏閣は、昼間とはまた違った神秘的な美しさを見せてくれます。
朝活観光の主なメリット
- 人混みを避けて、ゆっくりと観光スポットを堪能できる
- 朝の清々しい空気と美しい光の中で観光できる
- 写真撮影も人が入らず、理想的なショットが撮れる
- 暑い季節は涼しい時間帯に観光できる
- 昼間の時間を別の観光や屋内での活動に使える
おすすめの朝活観光モデルコース
では実際に、朝活で京都を効率よく回るモデルコースをご紹介します。このコースは、東山エリアから始まり、早朝に八坂神社と清水寺を訪れ、その後他の人気スポットへ移動するプランです。
5:00 宿を出発
まだ暗い時間帯ですが、この早起きが素晴らしい体験への第一歩です。
5:30 八坂神社
八坂神社は24時間参拝可能なので、早朝でも問題なく訪れることができます。朝の静寂の中で、普段は観光客でにぎわう境内をゆっくりと散策しましょう。

6:00 清水寺
清水寺は朝6時に開門します。開門時間に合わせて到着し、人がまばらな境内で清水の舞台からの眺めを独り占めするような気分を味わえます。朝日に照らされる京都の町並みは格別です。



8:00 朝食
早朝の観光で空いたお腹を、地元の食堂や和カフェで満たしましょう。この時間ならまだ観光客も少なく、落ち着いた雰囲気の中で食事を楽しめます。
9:00 銀閣寺または金閣寺へ移動
バスや電車を利用して次の目的地へ移動します。春から秋は銀閣寺が8:30から、冬は9:00からの開門です。金閣寺は年間通して9:00開門です。
10:30 早めのランチ
観光客が増え始めるこの時間帯は、混雑を避けて屋内でゆっくりとした時間を過ごすのがおすすめです。
午後
午後は宿でゆっくり休憩するか、比較的混雑の少ない場所への観光、または京都の伝統工芸体験などで過ごすことをおすすめします。
もう一日観光する余裕があれば、貴船神社も是非訪れてみてください。朝の6時から開門しており、夏から秋は20時、冬から春は18時まで参拝可能です。早朝の貴船神社は、神秘的な雰囲気が一層引き立ちます。


主要観光スポット情報
八坂神社
開門時間: 24時間参拝可能
アクセス: 京阪電車「祇園四条」駅より徒歩約5分
祇園さんの愛称で親しまれる八坂神社は東山の中心に位置し、24時間参拝可能なため早朝観光の起点として最適です。境内は広くないですが、朝の静寂の中で参拝すると、特別な雰囲気を感じることができます。
清水寺
開門時間: 6:00〜18:00(7・8月は18:30まで)
入場料: 大人400円
アクセス: 市バス「清水道」または「五条坂」下車、徒歩約10分
京都を代表する観光スポットの一つで、特に昼間は非常に混雑します。朝6時の開門と同時に入れば、清水の舞台からの眺めやその他の見どころをゆっくり楽しむことができます。早朝の澄んだ空気の中で見る京都の町並みは格別です。
金閣寺(鹿苑寺)
開門時間: 9:00〜17:00
入場料: 大人500円、小・中学生300円
アクセス: 市バス「金閣寺道」下車、徒歩約5分
金箔で覆われた三層の楼閣が池に映る姿は、日本を代表する景観の一つです。開門直後に訪れると、まだ人が少なく、ゆったりとした雰囲気の中で鑑賞できます。境内を回るのに必要な時間は約40〜60分です。
銀閣寺(慈照寺)
開門時間: 3月〜11月 8:30〜17:00、12月〜2月 9:00〜16:30
入場料: 大人500円、小・中学生300円
アクセス: 市バス「銀閣寺道」下車、徒歩約5分
金閣寺ほど派手ではありませんが、洗練された枯山水の庭園と「銀沙灘」と呼ばれる白砂の盛り山が美しい寺院です。哲学の道の北端に位置し、開門直後は特に静かで風情を感じられます。
貴船神社
開門時間: 6:00〜20:00(5月1日〜11月30日)、6:00〜18:00(12月1日〜4月30日)
参拝料: 無料(本宮)
アクセス: 叡山電車「貴船口」駅からバスで「貴船」下車
水の神様を祀る神社で、特に夏は川床料理で有名ですが、早朝は訪れる人も少なく、神秘的な雰囲気の中で参拝できます。赤い灯篭が連なる参道は朝の光の中で美しく輝きます。
朝活観光を成功させるためのポイント
成功のポイント
- 前日はしっかり休む
早起きするために、前日は早めに就寝し、十分な睡眠をとりましょう。 - 交通手段を事前に確認
早朝の交通機関は本数が少ないことがあります。バスの時刻表や、徒歩ルートなどを事前に調べておくと安心です。 - 朝食の準備
早朝は開いている食事処が少ないので、コンビニで軽食を購入しておくか、宿で簡単に食べられるものを用意しておくとよいでしょう。 - 午後の予定は緩めに
早朝から活動していると、午後は疲れが出るもの。午後は宿でゆっくり休憩する時間も計画に入れておきましょう。 - 夏は特に早めの行動を
夏の京都は非常に暑くなるため、涼しい早朝の時間帯に主要な観光を済ませると、熱中症のリスクも減らせます。
まとめ:京都の本当の魅力を感じるために
海外からの観光客が増え、人混みで溢れかえる現代の京都。しかし、ちょっとした工夫で、本来の静けさと風情を感じる京都旅行を楽しむことができます。朝早く出発し、人の少ない時間帯に主要な観光スポットを訪れることで、写真や本でしか見たことのない「理想の京都」を体験できるのです。
私自身も最初は早起きが辛いと思いましたが、朝の清々しい空気の中で見る京都の景色は格別で、その後の旅行の質が大きく変わりました。混雑を避けて本来の京都を感じられる朝活観光で、特別な京都旅行にしてみてはいかがでしょうか。
「金閣寺、水は青く樹は緑なり」と詠まれた松尾芭蕉の句の意味を、実際に朝の金閣寺で感じることができたとき、京都旅行の真の楽しさを知りました。人混みを避け、静かな朝の時間に訪れることで、京都の本当の美しさと魅力を発見してください。
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