応用情報技術者試験 合格体験記 〜3度目の正直!合格までの道のり〜

資格

はじめに:3度目の正直で掴んだ合格

基本情報技術者試験に合格した勢いで応用情報技術者試験に挑んだものの、その壁は想像以上に高く、厚いものでした。私は3回の受験を経て、ようやく合格通知を手にすることができました。この道のりは決して平坦ではありませんでしたが、2度の不合格があったからこそ得られた知見があります。

この記事では、私が応用情報技術者試験に合格するまでの全記録を共有し、これから受験される皆様を力強くサポートしたいと思います。正しい戦略継続的な努力があれば、必ずこの壁は乗り越えられます。この記事が、あなたの合格への一助となれば幸いです。

応用情報技術者試験とは?その価値と概要

応用情報技術者試験(AP)は、「基本情報技術者試験」の上位に位置づけられる国家資格です。単なるIT知識だけでなく、与えられた状況を分析し、課題を解決に導く実践的な応用能力が問われます。この資格は、あなたが「自律的に問題解決できるワンランク上のITエンジニア」であることを客観的に証明してくれます。

試験の概要(2025年秋期試験時点)

試験時間 午前:150分 / 午後:150分
出題形式 午前:多肢選択式(四肢択一)80問
午後:記述式 11問中5問選択解答(問1:情報セキュリティは必須)
合格基準 午前・午後ともに 60点 / 100点満点 以上
受験料 7,500円(税込)
実施時期 例年4月(春期)、10月(秋期)の年2回

【300時間超】私の全学習記録と教材レビュー

合格までに要した総学習時間は、300時間を超えました。特に3回目の受験前は、後述する失敗を糧に学習計画を根本から見直しました。

  • 総学習時間:約300時間以上
  • 使用教材
    1. 応用情報技術者試験ドットコム:午前対策のメイン。スマホで隙間時間にひたすら過去問を解きました。
    2. 応用情報技術者 午後問題の重点対策 (通称:重点対策):午後対策のバイブル。記述式の解答作法を学びました。
    3. キタミ式イラストIT塾 応用情報技術者:知識の全体像を掴むための辞書代わりに使用。
    4. Udemy講座 (プロジェクトマネジメント):実務経験のなかったプロマネ分野を映像で補強しました。

2025年現在では、上記に加えてYouTubeの解説動画や技術者コミュニティ(Discordなど)も充実しています。これらを補助的に活用し、モチベーションを維持するのも有効な手段です。

【失敗談】2度の不合格から導き出した合格への最短ルート

私が2度不合格になった原因は、今振り返れば明確です。それは、学習時間の配分ミスでした。

  • 1・2回目の敗因:午前試験の足切り(60点未満)を恐れるあまり、午前対策に8割以上の時間を費やしていました。その結果、午後試験は毎回58点、59点と、あと一歩のところで涙を飲むことに…。
  • 3回目の戦略転換:午前試験は過去問の周回で60点を安定して超えるレベルを維持しつつ、学習時間の比重を「午前:午後=4:6」に変更。特に午後対策に150時間以上を投下しました。この戦略転換が、合格の直接的な要因となりました。

教訓:応用情報の合否は「午後」で決まる。午前は60点台で突破できればいいと割り切り、リソースを午後に集中投下すべし。

午後試験対策:最大の壁を乗り越えるための3つの鉄則

応用情報で誰もがぶつかる壁が、記述式の午後試験です。ここを乗り越えるための具体的な方法を解説します。

鉄則1:選択問題を「戦略的」に決める

午後試験は、必須の情報セキュリティを除き、10問の中から4問を選ぶ形式です。どの分野を選ぶかが合否を大きく左右します。私の戦略と一般的なおすすめを紹介します。

分野 難易度傾向 コメント
問1:情報セキュリティ 標準 【必須問題】対策は必須。他の分野との関連性も高い。
問2:経営戦略 易しい IT知識が少なくても国語力で解ける問題が多い。おすすめ
問3:プログラミング 得意なら易しい 開発経験者向けのボーナス問題。未経験者は回避推奨。
問4:システムアーキテクチャ 難しい 深い技術知識が問われる。上級者向け。
問5:ネットワーク やや難しい インフラエンジニア向け。得意でなければ深追いは禁物。
問6:データベース やや難しい DBエンジニア向け。SQLが得意なら選択肢に。
問7:組込みシステム開発 易しい 問題文が素直で解きやすいことが多い。おすすめ
問8:情報システム開発 標準 要件定義〜テストまでの知識。開発経験者向け。
問9:プロジェクトマネジメント やや難しい 経験がなくても対策で得点源にしやすい。個人的におすすめ。
問10:サービスマネジメント 易しい ITILの知識が中心。暗記で対応しやすくおすすめ
問11:システム監査 易しい 文章読解系で、セキュリティや経営戦略と親和性が高い。おすすめ

おすすめの選択戦略は、実務経験や得意分野から確実に得点できる問題を2〜3問固め、残りを「経営戦略」「サービスマネジメント」「システム監査」といった文章読解系の問題から選ぶことです。これにより、安定した得点が見込めます。

鉄則2:記述式の「型」をマスターする

国語が苦手だった私が意識したのは、記述解答の「型」を作ることです。

  • 問題文中の言葉をそのまま使う:採点者に意図が最も伝わりやすい方法です。独自の言葉で表現しようとしないこと。
  • 「〜こと。」「〜ため。」で締めくくる:IPA試験特有の解答形式です。この型に慣れるだけで、解答が引き締まります。
  • 文字数指定の練習:「30字以内で述べよ」のような設問は頻出です。過去問演習の段階から、指定文字数内に要点をまとめる練習を徹底しましょう。

鉄則3:時間配分を体に叩き込む

150分で5問を解くには、1問あたり30分が目安です。しかし、問題によって難易度は異なります。過去問を解く時から必ず時間を計り、「この問題は25分でいけそうだ」「これは35分かかりそうだ」という時間感覚を養うことが重要です。本番では、解けそうな問題から手をつける冷静な判断力が求められます。

試験当日の準備と心構え

  • 会場の下見は可能なら行う:特に大学のキャンパスなどは、建物が分かりにくい場合があります。当日の余計なストレスを減らすためです。
  • 服装と持ち物:会場の空調は調整できません。脱ぎ着しやすい服装は必須です。また、アナログ時計は時間管理の生命線なので絶対に忘れないようにしましょう(スマートウォッチは使用不可)。
  • 昼食と休憩場所:午前試験は早めに退出できることが多いです。すぐに昼食をとり、午後の選択問題を最終確認する時間を確保できるよう、食事場所は事前にリサーチしておきましょう。

資格取得後の変化とキャリア

応用情報技術者試験の合格は、単なる資格以上の価値をもたらしてくれました。

  • 視野の拡大:技術だけでなく、マネジメントや経営戦略まで学んだことで、プロジェクト全体を俯瞰して見られるようになりました。
  • 自信と信頼:顧客や上司に対して、技術的な裏付けを持って説明できるようになり、発言の説得力が増しました。
  • 次のステップへ:応用情報に合格すると、その後2年間はプロジェクトマネージャやネットワークスペシャリストなどの高度試験で「午前Ⅰ」が免除されます。キャリアアップへの道筋が明確になりました。

おわりに

応用情報技術者試験は、付け焼き刃の知識では合格できない、実践的な思考力が問われる試験でした。3回という遠回りをしましたが、その過程で得た「諦めずに戦略を練り直す力」は、エンジニアとしてのキャリアにおいても大きな財産となっています。

これから受験される皆さんへ。もし一度や二度失敗しても、それは貴重なデータ収集の機会です。なぜダメだったのかを分析し、次の戦略に活かせば、必ず道は開けます。皆さんの挑戦を心から応援しています!